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あたしとあの子は、昔からいつも一緒だった。
どこもかしこもすごく似ているあたしたちは、好きな食べ物や服装の趣味、好んで聞く音楽の傾向、なにもかもが同じだった。
それは気が合うなんてレベルじゃなくて、あの子とあたしはいくつもの喜びを数倍にできたし、どんなことだって最高にできた。
高一の春、あの子がクラスのあまり目立たない男子を秘かに目で追っているのに気がついた。当然、あたしもそうだった。
彼とあの子はどんどん仲良くなって、あたしも一緒に仲良くなった。
ある日、中庭に彼とあの子がいた。
彼は立ち去る間際あたしに目を留めると、ぱっと顔を赤らめて駆けていった。
あの子は泣いていた。
そんなあの子を見たあたしの心はどんどん揺らいでいった。そうして少しののち、バリンと音をたてて壊れた。
あの子は壊れたままその場にへたりこむあたしを振り返って一瞬驚いた顔をした後、見たこともない顔でにたりと笑った。
どこもかしこもすごく似ているあたしたちは、好きな食べ物や服装の趣味、好んで聞く音楽の傾向、なにもかもが同じだった。
それは気が合うなんてレベルじゃなくて、あの子とあたしはいくつもの喜びを数倍にできたし、どんなことだって最高にできた。
高一の春、あの子がクラスのあまり目立たない男子を秘かに目で追っているのに気がついた。当然、あたしもそうだった。
彼とあの子はどんどん仲良くなって、あたしも一緒に仲良くなった。
ある日、中庭に彼とあの子がいた。
彼は立ち去る間際あたしに目を留めると、ぱっと顔を赤らめて駆けていった。
あの子は泣いていた。
そんなあの子を見たあたしの心はどんどん揺らいでいった。そうして少しののち、バリンと音をたてて壊れた。
あの子は壊れたままその場にへたりこむあたしを振り返って一瞬驚いた顔をした後、見たこともない顔でにたりと笑った。
その他
公開:18/08/15 20:08
更新:18/08/15 23:24
更新:18/08/15 23:24
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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