僕の石ころ

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はあぁ…。学校からの帰り道、大きな溜め息をついて脱力すると、左手からコロコロと何かが転がり落ちた。何だか良くわかんないけど、ちっさい石ころみたいなヤツだ。しかも何か一生懸命叫んでる。僕はしゃがんで話を聞いた。
「おい、捨ててくな。ちゃんと持ってろ」
石ころみたいな奴が甲高い声で必死に喋ってるが、僕はコイツを捨てた覚えなんてない。
「オマエ、テストが散々だったんだろ」
僕は顔色が変わった。そうだ、全然ダメだった。僕は勉強が嫌いで、だから勉強が出来ないし、自信もない。
「でもお前は体育が得意だ。足が速いし、野球チームで頑張ってる。だから俺をちゃんと持っとけ、今はちっさいけどな、そのうち大きくなるから」
僕は目を見開いた。その石ころみたいな奴を拾い手に持ってギュッと握る。
ゆっくり手を開くと石ころみたいな奴はいなくて、でも何だか焼肉食べた後みたいにグングン力が沸いてきた。
その他
公開:18/08/15 16:52

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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