曇り空の方が好きです

　青空っていうのは、厄介なので、全国に雲発生装置を配置しました。これで今日から日本は、完全に安全な心地よい曇り空です。

「いつでも曇り空なので、気持ちよく外に出られます！」
「曇り空は本当にいいですよね！たまに反曇り空勢力なんていう人たちがいるって聞きます。そういう人たちはいなくなってくれたらいいんですけど…。」
「雨が降ることもないし最高です。僕なんてもう傘捨てちゃいましたよ！」

　快晴が一番嫌われていたから仕方がない。どうもあの明るさのせいで、外に出るのが恥ずかしくなってしまうようで。

「快晴ですか...。あの天気はだめですねぇ...。あの天気ですと、なかなかうまく生きていくのが難しいじゃないですか。」
「誰でもみんなそうなんじゃないんですかね？こんな世の中ですし、自分に何かしらの罪を感じる人も多いでしょう。こんな私が晴天の下を歩くなんてなんだか恥ずかしくてできませんもの。」