さて今日の収穫は

さあ、今日も収穫の時間だ。僕は麦わら帽子をかぶり、収穫カゴを持って外へ出る。

わずかに実のなった穀物を収穫していく。カゴの中身は少ない。今日も寂しい食卓になるだろう。

しかし、僕は生活を豊かにするスペシャリストなのだ。まだ収穫を続けるぞ。
風。気をつけないとすり抜けてしまうそれを手で掴む。これは飲み水に混ぜてみるか。
音。木々のざわめき、きっと口の中で不思議な食感になるぞ。
草のトゲトゲした影はスパイスになるかもなぁ。
光を凝縮した金色の光の粒！これは仕上げさ。
さあ収穫カゴに詰め込んだら、食事にしよう。

僕は裕福ではない。
美術館になんて行けなくていい、オシャレができなくたっていい。お金がなくたっていい。心はとっても贅沢さ。
そして今日も僕は料理の仕上げに金色の光の粒をかける。なんてキラキラ輝く食事！
…量の、とっても少ない食事。
心はとっても贅沢さ。そう思って、いなければ…。