わらいぶくろ

この学校には、こんな話がある。
数年前、クラスの三人組からいじめを受けていた少年がいた。
少年は、日ごとにエスカレートする行為に耐え切れず、三人を手にかけてしまった。
その三人の魂は夜な夜な校舎に現れて徘徊している。

校舎内に響き渡る笑い声を響かせながら。

「だからやめようって……」
「まさか、本当にこうなるとは思ってなかったんだ」
僕らは走る。
噂のあれから、逃げるため。
度胸試しなんて、こんなの。

すでにひとり、はぐれた。

遠くから、叫び声が、笑い声が、きこえた。
それきり。

「おい、あれ」
誰か、廊下にいる。
「よかった。どこ行ったのかと思った」

なにかおかしい。こちらを向く。

口が、裂け……

は ははは はは


亡くなった三人の口は裂かれ、笑い袋が詰められていた。
少年は、
僕をいじめる時、あいつらずっと笑ってた。せっかくだからプレゼントしたんだ。
と言った。