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学校だった。教室は薄暗い。木造の校舎だ。おそらくは小学校なのだ。八年前に死んでしまった男もいた。私の席は、廊下から2列目の一番先頭で、寒くはない。
ピアノの上手な女生徒が後ろにいた。そして、いつも一緒にすごしていた友達は隣にいる。廊下に一番近い列だ。足元に、廊下へ通ずる引き戸があって、授業中に、廊下と教室とを何往復できるかを競った。廊下はもっと暗い。
大きなプリントと小さなプリントが交互に並んでいた。これは、カンニングを防ごうという作戦だ。自習になった授業。プリントは、中庭の池からの反射光を見間違えていたのだ。僕はピアノの上手い女生徒と、カンニングを無効にする机の並べ方について相談していた。それは何時の間にか、僕の布団を斜めに横切るように、彼女の布団を敷くという話に変わっていた。
「構わない?」
「構わないよ」
彼女と布団の敷き方を相談するというのは、非常に官能的なことに思えた。
ピアノの上手な女生徒が後ろにいた。そして、いつも一緒にすごしていた友達は隣にいる。廊下に一番近い列だ。足元に、廊下へ通ずる引き戸があって、授業中に、廊下と教室とを何往復できるかを競った。廊下はもっと暗い。
大きなプリントと小さなプリントが交互に並んでいた。これは、カンニングを防ごうという作戦だ。自習になった授業。プリントは、中庭の池からの反射光を見間違えていたのだ。僕はピアノの上手い女生徒と、カンニングを無効にする机の並べ方について相談していた。それは何時の間にか、僕の布団を斜めに横切るように、彼女の布団を敷くという話に変わっていた。
「構わない?」
「構わないよ」
彼女と布団の敷き方を相談するというのは、非常に官能的なことに思えた。
青春
公開:18/08/12 13:25
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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