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腹が立つ。怒りが収まらない。気を静めようと、トイレの個室に入った。それにしても、最近のトイレは、おしゃれだ。ドアの内側に一枚の風景画が貼られている。点描画で森が描かれて、森の中には青い家が覗いていた。
知ったかぶりで、人を見下す上司。自分が賢いと思い込んでいる。そんな奴から、一か月かけて考え抜いた提案を、ろくに話も聞かず頭ごなしに否定された。本当に腹が立つ。
ふと絵を見ると、青い家のドアが開き子供が顔を出した。小学生くらいの女の子だ。
「おじさん、何、怒ってんの」
小首をかしげながら、聞いてきた。
あまりの怒りで、頭がおかしくなったのか。目をこすってみる。
「ばかね」
そう言うと、女の子は家を出て、微笑みながら暗い森の奥へ走り去った。
何がバカなのか、怒っている理由か、そんなものに縛られている自分か。
何がバカなのか。答えを知りたくて、女の子を追いかけ、絵の中の森へ飛び込んだ。
知ったかぶりで、人を見下す上司。自分が賢いと思い込んでいる。そんな奴から、一か月かけて考え抜いた提案を、ろくに話も聞かず頭ごなしに否定された。本当に腹が立つ。
ふと絵を見ると、青い家のドアが開き子供が顔を出した。小学生くらいの女の子だ。
「おじさん、何、怒ってんの」
小首をかしげながら、聞いてきた。
あまりの怒りで、頭がおかしくなったのか。目をこすってみる。
「ばかね」
そう言うと、女の子は家を出て、微笑みながら暗い森の奥へ走り去った。
何がバカなのか、怒っている理由か、そんなものに縛られている自分か。
何がバカなのか。答えを知りたくて、女の子を追いかけ、絵の中の森へ飛び込んだ。
その他
公開:18/08/11 13:51
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