チンピラごぼう

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夕御飯のお手伝い。
私はきんぴらごぼうをテーブルに置いた。
『おい、ささガキ!おとなしくおけや』
きんぴらが喋った。
よく見ると、ほんのり醤油顔のそいつは輪切り唐辛子柄のシャツを着て、金ゴマのネックレスをつけてる。
チンピラだ。
「なによ。あんたなんか今から食べてやるんだから」
『その威勢も今のうちだ。おれを嗅いでみな』
あっ、酒くさっ!
こいつ、すでにみりんを一杯ひっかけてる!
『文句あるか?おい、なにメンチ切ってんだ』
「おかずのメンチカツよ。薄味でしなびたあんたなんて、今のままじゃただの鉄砲玉ね」
『なんだと!おい、何しやがる!』
フライパンにゴマ油をひき、チンピラを火にかける。
『任も仁もないガキめ!あちぃ!』
めんつゆをぶっかけ、炒めつけた。
「おい、チンピラ」
『なんだよ』
「なかなかうまそうだ」
シャキっとしたイン照りの風貌といい風味。
「私に食われな」
『いただかれます!』
その他
公開:18/08/11 12:08

そるとばたあ( 神奈川 )

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