瞬間接着罪

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「瞬間接着罪だ!」
濡れ衣だ。私は何もやっていない。
電車が揺れた瞬間に、女子高生と接着したという。
たしかに、私と女子高生は接着した。
見たままだ。今でもまだ離れていない。
だが、私から接着したという事実がどこにあるというのか。
女子高生から接着してきたのだ。
あの瞬間、女子高生の体が白く発光し、柔らかな粘着性の何かで包まれた。その、ほのかに温もりと懐かしさを感じる何かに、私は一緒に取り込まれた。
その後、男が叫んだのだ。
女子高生から発する光は目では確認できなくなっており、体の左側、心臓のあたりがほんわりとするに留まっていた。
女子高生は男に言った。私と一緒になることを決めている、罪ではない、と。
男は引き下がった。
私の意思は関係ないようだ。
胸に残る温かさが救いなのか。
瞬間接着罪で私の人生は「詰み」になりかけた。
離れられない人と一緒に私は暮らしていく。
もはや彼女の自由自罪だ。
ミステリー・推理
公開:18/08/10 23:14

undoodnu( 日本:東京23区 )

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