トリロビタの恍惚

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ぶよぶよしたしろいなかをなにかが近づいてくる。

 ぷしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ
  ぷしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ

水面にのぞく幾本かの筒から蒸気を噴き上げている。
「機械蟲だ⋯⋯」
おれんじの夥しい触手を蠢かし、こちらへ近づいてくる。
こんくりのどろどろは進みにくそうだ。
仕方ないのでぼくのほうから、
ぶよぶよしたしろいのに足を取られぬよう近づく。
よこっちょに赤いスイッチがあった。
上下にかちゃかちゃ動くやつだ。
上が[ON]
下が[OFF]
そいつを下へやると、
蠢きを停止した。
そして、
ながいじょうぶなムシピンをからだの中心に差し込んだ。
その[機械蟲]をぶりきの採集缶のコルクに留め、逃げた心臓の代わりに胸にしまい込んだ。

ぼくはカラクリ仕掛けの[機械蟲]を胸からそっと取り出し、彼女にさしだすところを想像する。
きっとぱりぱりと音をさせ、旨そうに喰べてくれるに違いない──。
ファンタジー
公開:18/08/12 03:17
更新:18/09/17 16:09

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

(獏・ω・) 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。
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