海猫の怪

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赤牟岬では「海猫」が大繁殖していた。

飼っていた猫を見かけたという噂を聞いてこの海岸にやって来たのだが、想像以上に海猫が多く、タマを見つけるのは難しそうだ。
諦めて帰ろうとすると、「ニャア」という懐かしい鳴き声が聞こえた。そこには変わり果てたタマの姿があった。陸よりも過酷な海中での狩猟のため、鱗、鰓、水掻き等の器官が発達し、半魚人ならぬ半魚猫と化していた。本来、猫であるはずの種族が、なぜ海に適応してまで魚類に変わる必要があったのかはよく分からない。
何とか連れ戻そうと抱き上げてみるが、すでに海への適応著しく、到底アパートでの共同生活は無理だろう。
「痛ッ!」
狎れていたはずのタマが突然ぼくの腕を噛み、海へと逃げてしまった。

あれから数ヵ月後、何故だか分からぬが、無性に赤牟岬へ還りたいという衝動に駆られた。
ああ、この四肢に表出した鱗のような物が、何かの間違いであればよいのだが──。
ホラー
公開:18/08/11 23:37
更新:18/09/17 16:08
赤牟=アーカム 狎れ=なれ 鰓=エラ インスマウスの影 ダゴン秘密教団 ラヴクラフト

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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