ウインナー
8
46
冬の空はまだこんなにも余力を残していたのか、というくらいの大雪で、路面は白く、男の吐息も白かった。
男は小腹が減っていた。そして、スマホを満足に操作するために、かじかむ指先を正常に戻してくれる何かを求めていた。
だからコンビニに立ち寄った。買うべきものは決まっている。
店内に入ってすぐレジへ進む。目の前には、直立不動で、痩身かつ血の気のない男性店員が一人。
一度メニューに目を移してから、男は注文を始めた。
「えーと、大根と玉子、あと、しらたき・・・・・・いや、はんぺん、じゃなくて・・・・・・ウインナー」
すると、店員が言った。
「すいません、ウインナーはないんですよ」
「え、でも」と男はそれを指差す。しかしどこか、色が薄いようにも見えるが。
「あー、それはウインナーじゃないですね」
店員は、降ろした状態で隠れていた両手を、台に載せた。
指が一本もなかった。
男は小腹が減っていた。そして、スマホを満足に操作するために、かじかむ指先を正常に戻してくれる何かを求めていた。
だからコンビニに立ち寄った。買うべきものは決まっている。
店内に入ってすぐレジへ進む。目の前には、直立不動で、痩身かつ血の気のない男性店員が一人。
一度メニューに目を移してから、男は注文を始めた。
「えーと、大根と玉子、あと、しらたき・・・・・・いや、はんぺん、じゃなくて・・・・・・ウインナー」
すると、店員が言った。
「すいません、ウインナーはないんですよ」
「え、でも」と男はそれを指差す。しかしどこか、色が薄いようにも見えるが。
「あー、それはウインナーじゃないですね」
店員は、降ろした状態で隠れていた両手を、台に載せた。
指が一本もなかった。
ホラー
公開:18/08/11 23:23
ショートショートをロングロング愛しています。女性の髪はショートかセミロングが好きです。
ログインするとコメントを投稿できます