子供が泣き叫ぶ虫除けスプレー

蚊に刺されるスプレーで炎上したため、製薬会社が蚊除けに本気で取り組んだ。
蚊にまったく刺されなくなったが、合わない人にはものすごく痛いらしい。
有効成分のムジヒンが効きすぎていると内部報告にあがっている。
子供が泣き叫ぶ事例が多発したため、一部地域では「お利口さんにしないと塗るよ」となまはげのような扱い。
しかし、海外では「メイドインジャパン」と大人気。

国際郵便で苦情が来たこともあった。
羊皮紙の封筒で、封蝋が押されていた。
苦情対応に追われて、だれも封を開けずそのまま放置していた。
しばらく経ち、苦情の電話がかかってきた。
海外からの着信で、たどたどしい日本語。まとめると、こんな内容だった。
「時代の変化と共に、清らかな血を持つ乙女を見つける事が困難になった。ようやく見つけても、御社の無慈悲な薬のせいで血が吸えず、飢え死にしそうだ」
蚊の鳴くような声だったという。