四季のドン

｢春は花、夏は風、秋は木々、冬は雪。俺達の仕事は四季を通じて人間様を守ることだ。｣四季のドンはこのことを常々臣下達に言い聞かせている。
森の中の一軒屋に天使のような赤ちゃんが誕生した。
家族中から祝福され、名前はアリサと名づけられた。
アリサはいくつも四季を経験し、心身共に美しい娘に成長した。
爺ちゃん、婆ちゃん、父さん、母さん、弟や妹達と共に日々の生活を平和にすごした。アリサの気立ての良さは隣町にも知られるようになり誠実な青年に請われて嫁入りした。
アリサが嫁に出た後、爺ちゃん、婆ちゃんは次々に天に召された。
残された家族は深い悲しみに打ちひしがれた。しかし、２、３年もすると弟が嫁を迎え、再び玉のような赤子を家族で祝福する場面に恵まれた。
四季のドンやその臣下達は森の一軒屋をとりまく環境を美しく規則正しく安全に整えることでそこに住む人々の当たり前の営みを見守っている。