奇譚【白い仮面】

14
47

家路へ急いでいると、夕空にふわふわと白い仮面が浮遊していた。
何?
こっちに向かってくる!
えっ?パコッ!ウソだろ……。
俺の顔にはまった!
「今日からモテモテだよん」
「なんだおまえ?離れろ!」
いくらもがいても離れない。仕方なく帰宅し鏡を見た。
「めっちゃ男前!めっちゃイケメン!」
「だろぅ。さぁカワイイ女子をゲットしに行こうぜ」
仮面は顔に吸着し、誰が見ても仮面の違和感がない。しかし俺が俺でなくなってしまう、幸い一人暮らしだし、偽名を使って女にモテるのもいいか。
俺は、モテまくった。信じられないくらいモテた。

一年が過ぎたころ。

「そろそろ、脱皮するか」
「え?どういう意味だ」
仮面はめりめりと俺の顔から離れはじめた。
「ちょ、ちょっと待てって!今さら元に戻れないだろう!」
「ほな、さいなら」
仮面は剥がれ、消え去った。
恐る恐る鏡で確認した。

「うわぁーーっ!て、俺か……」
その他
公開:18/08/09 12:35
仮面 モテる

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容