モルフォス

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艶やかな青い翅。
何て美しい蝶だろう。

蝶に誘われるまま森の奥へと歩んで行くと、草花に囲まれた一軒の青い家があった。
「何だろうとても甘い香りがする」
ぼくを導くように、蝶はその家の中へと消えた。
「こんな所に家なんてあったかな?」
近づいてみると、窓の向こうには美しい少女の姿が見えた。
強烈な甘い香りのせいか、ぼくは何だか頭がぼんやりしていた。
半開きになったドアを開け中へ入る。
「コンニチワ」
先ほどの少女が笑顔で迎えてくれた。
少女の頭の上には青い蝶が止まっていた。
ぼくは彼女に近づいてキスをした。
ああ、甘い香りの正体は彼女だったのだ。
目眩く陶酔のなか、すべての入口が閉ざされていくのをぼくは感じた。
罠であると気付いたときにはもう手遅れだ。
裏窓に覗く人骨の山は今までの犠牲者なのだろうか。

四方の壁から溢れ出す甘い香りの液体に溶かされながら、ぼくはそんな事を考えていた──。
ホラー
公開:18/08/10 13:48
更新:18/09/17 16:24
北オーストリアの農家

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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