甘い匂い

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あたしは商店街で買い物を済ませ、家族の待つ家へと向かっていた。
すると何だか甘い匂いが漂ってきた。
「いい匂いねぇ」
誘われる蝶のように森の奥へ歩いて行くと、お花畑の中に一軒の青い家があった。
「こんなとこに家なんてあったかしら?」
近づいてみると表札には栗本とあった。
「こんにちは」
留守みたいね。
強烈な匂いは家の中からだ。
あたしは辛抱ができず、半開きになったドアを開け闖入した。
テーブルの上には旨そうな果物が置かれていた。思わずふらふらと手を伸ばしそれに触れた途端、すべての入り口に格子が下りた。
ガシャン!
「えっ、えっ、ウソ!?」
罠であると気付いたときにはもう手遅れ。
裏窓から覗く人骨の山は今までの犠牲者なのだろう。
──擬態だ。
植物の中には、驚くほど別の何かそっくりになる連中がいた気がする。
四方の壁から滲み出す甘い匂いの液体に溶かされながら、あたしはそんな事を思った──。
ホラー
公開:18/08/07 13:08
更新:18/09/17 16:24
北オーストリアの農家

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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