不思議な言葉たちの物語

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「受付嬢、アンドロイドなの?」
「最近アップデートして、漸く使い物に。それまで『人の話を聞かない内線電話』と揶揄されるほどでした」
「美人との噂だけど」
「自ら整形を。外見までアップデートするとは驚きました」
「変わった出目金も飼ってるらしいね」
「オスなのに化粧したかのような顔でねぇ。金魚界にも女装文化があるのか、と」
「それは面白い。面白いと言えば、この車……」
「これもアンドロイドですよ。うちの社用車であり、社長です」
「社長?」
「今、我々の会話もデータ化されています。なにしろあらゆる事案を上書き保存してくれますからね。時代の波には乗り遅れるな、が社長の経営理念です」
「ほー。あ、配達の時間だ。では」
黒塗りの車の運転手と、そこに乗っていたバイク便の会話。

「夢、か。居眠ってた……昨日眠れなったからなぁ」
そう呟いた男の頭はまだコックリ、コックリしている。その姿はまるでヨーヨー。
その他
公開:18/08/08 13:25
更新:18/08/08 15:09
アップデートする受付嬢 人の話を聞かない内線電話 社用車の経営理念 上書き保存できる社長 黒塗りの車に乗るバイク便 女装する出目金 前日眠れないヨーヨー スクー 詰め込み

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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