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私が勤める守衛室の前に1台の黒塗りの車が止まり、黒服の老紳士が降りてきた。どこかの役員が商談に来たのだろう。しかし、用紙には何故か「開発部にバイク便」と書かれている。
「バイク便?」
「そうです」
「いや、でもバイクじゃありませんよね」
「いけませんか?」
「ダメです」
老紳士は少し考えた後、「少々お待ちを」と車に戻った。車の中で何やら相談している声が聞こえた。突然車の後ろが開くと、シャキーンと音を立ててスロープが出現し、ブルンッとエンジン音を響かせて中からバイク便が降りてきた。乗っているのは色白の頼りなさげな青年だ。
「か、開発部はどちゅらですか?」
私は頬を引きつらせながら答える。
「ここを直進して突き当たりを右です」
青年はフラフラとバイクを走らせた。
「坊ちゃん、しっかり」
老紳士の声に私は溜め息を漏らす。事情は知らないが過保護が過ぎる。
走り去ったバイクに目を向け…あ、転倒した。
「バイク便?」
「そうです」
「いや、でもバイクじゃありませんよね」
「いけませんか?」
「ダメです」
老紳士は少し考えた後、「少々お待ちを」と車に戻った。車の中で何やら相談している声が聞こえた。突然車の後ろが開くと、シャキーンと音を立ててスロープが出現し、ブルンッとエンジン音を響かせて中からバイク便が降りてきた。乗っているのは色白の頼りなさげな青年だ。
「か、開発部はどちゅらですか?」
私は頬を引きつらせながら答える。
「ここを直進して突き当たりを右です」
青年はフラフラとバイクを走らせた。
「坊ちゃん、しっかり」
老紳士の声に私は溜め息を漏らす。事情は知らないが過保護が過ぎる。
走り去ったバイクに目を向け…あ、転倒した。
その他
公開:18/08/08 10:12
更新:18/08/08 10:18
更新:18/08/08 10:18
スクー
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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