その音が聴きたい

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休み時間に教室で音楽を聴いていた。
アニメのキャラソンだ。
目を瞑って、キャラクターが醸し出す世界観に浸る。
「何聴いているの?」
目を開けて声のした方を向くと、島田さんがこちらを見ていた。
「ん、別に大したものじゃないよ」
アニメの曲を聴いているのが少し恥ずかしくなったので、誤魔化した。
「えー、いいじゃん教えてよ」
島田さんは僕の左耳からイヤフォンを奪い取り、自分の耳に装着した。
僕は慌てて、適当に曲を入れ替えた。
「あーてぃふぃっしゃるいんてりじぇんす」
島田さんは何かを言い出した。
「ど、どうしたの、島田さん?」
「ほら、今聴こえているやつだよ」
僕の右耳には、英単語が流れていた。
「さっきまで聴いていたんじゃなかったのかな~? 本当は何を聴いていたのかな~?」
島田さんがニヤニヤしながらこっちを見る。
「勉強しているのが恥ずかしかったんだよ」
「かっぽぅ」
右耳から何か聴こえる。
青春
公開:18/08/05 00:49

undoodnu( 日本:東京23区 )

元NEET。ITエンジニア・小説家・インデックス投資家。
構成の凝った作品が好きです。
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