階段の吹き抜け、日当たり良好

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 階段の吹き抜けのガラスから陽光が注ぐところに私はいる。
 ここに来て3年くらいかしら?私も随分大きくなったものだわと思う。
 私のところへくるといつものように彼はまじまじと私を見つめる。
「おはよう。パキラちゃん、今日も愛してる。」
 そういいながら彼は右手のじょうろを傾ける。昔は上から見つめられていたのに今は正面から見られてる。
「私も大好き。」
 いつも心持ち体を揺らして、そう叫ぶのだけれど彼に届いているのかわからない。
 私の端の方から全体まで一通り眺めた後、彼はじょうろを片手に去っていく。心持ち彼がじょうろを上下に振った気がした。
 鼻歌を歌いながら奥に消えていく彼が愛おしい。
 また明日、私のこと、見つめてね。待ってる。
ファンタジー
公開:18/08/05 22:00

ひさみん

ショートショートというよりも短編小説、掌編小説という感じになってしまうかもしれません。
自分のペースでやっていこうと思っております。
ショートショート・ガーデンにアクセスする頻度は高くありません。
1回のアクセスで多くても10作品見るかどうかです。すみません。

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