人の話を聞かない内線電話
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RRRRR
内線が鳴った。
「はい、徳田でございます」
「ちょっと肩こりがひどくてねぇ」
いきなり砕けた調子で話し始める。
「どなたですか?」
「腕も上がらなくなってきて。六十肩かねぇ」
相手は名乗りもせずに世間話を始める。
慌てて、ネットの社員リストで、かかってきた内線電話を検索する。
『該当しません』
存在しない内線電話からかかってきている?
「徳田でございますが、なにか御用でしょうか」
「チョコレートをポッケに入れておいたらこの暑さだろう、ベタベタに溶けちまって、参ったよ」
「六十肩でしたら健康相談室、クリーニングでしたら総務課にご相談ください」
そう言って切ろうとするが、相手は構わず話し続ける。
「今度、孫が遊びに来るんだけれど、おやつは何がいいかねぇ?」
「なんのお話ですか、いい加減にしてください」
ガチャン
同僚がクスクス笑っている。
「それ、社長のいたずら電話ですよ」
内線が鳴った。
「はい、徳田でございます」
「ちょっと肩こりがひどくてねぇ」
いきなり砕けた調子で話し始める。
「どなたですか?」
「腕も上がらなくなってきて。六十肩かねぇ」
相手は名乗りもせずに世間話を始める。
慌てて、ネットの社員リストで、かかってきた内線電話を検索する。
『該当しません』
存在しない内線電話からかかってきている?
「徳田でございますが、なにか御用でしょうか」
「チョコレートをポッケに入れておいたらこの暑さだろう、ベタベタに溶けちまって、参ったよ」
「六十肩でしたら健康相談室、クリーニングでしたら総務課にご相談ください」
そう言って切ろうとするが、相手は構わず話し続ける。
「今度、孫が遊びに来るんだけれど、おやつは何がいいかねぇ?」
「なんのお話ですか、いい加減にしてください」
ガチャン
同僚がクスクス笑っている。
「それ、社長のいたずら電話ですよ」
その他
公開:18/08/05 21:07
スクー
人の話を聞かない内線電話
文章を書くのが大好きです。
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