藪からヤコブ

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たとえば、プロペラの激しい回転であえなくふっ飛んでいく君がいる。
まるでピンボール、だとか、ピンボケするミートボール、だとか、そんな比喩を繰り出そうという気はないし、まして韻を踏む気などさらさらないのだが、むしろ、因果を踏み続けてしまう。
結局は口にしてしまっていることは否定できないし、そして文章表現は表現である以前に、文章である時点で絶えず嘘をついているのだと、そう全力で思いたい。
まるで、原稿用紙ではなく一枚でも多くの紙幣を数えることに全力を傾注するような時間の中で、透明なやかんに清らかな水を注ぎ込む夢を見るように。
結局は全部ひとりごとだから。それは機械、或いは紙に対する。そして神に対する。
自分の話をすべて、余すことなく聴き続けてくれる人間が側に、そしてずっといるならば、そもそも文章など書こうと思うのだろうか?
あゝ、恐縮し過ぎてまるで乾麺。熱湯ぶっかけて3分待たずに食っちまえ。
青春
公開:18/08/05 14:26

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