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環境問題対策本部は考えた。
天の川を渡るような壮大な思考の旅路に疲れた後、
ついに1つの妙案が浮かんだ。

「PETボトル計画」
主に人間に水を供給する機能を持つPETなAIを、人類の良き友とする計画

すぐにそれは軌道に乗り、本部は決行した。

日本の首都、東京。
ボトルが大量の自販機から排出される。

なるべく人が多い場所にという本部の思案により
カプセル型のボトル増産機、通称PETAIは、目的地に向けて勢いよくUFOから発射された。だが、疲労困憊だった作業員の致命的なミスにより、軌道はわずかにズレた。

真夜中

ニセの流れ星が東京ではなく、人里離れたド田舎に不時着した。
増産機の出口には、ボトルが1台はみ出ていた。

猿がやってきた。ボトルを取り出し、森の中の茂みへ走り去った。
ボトルは紳士的な口調で喋り出し、夜明け前の森の中に、こだました。

「さあ人間、私と共に、お散歩しよう」
SF
公開:18/08/05 14:18

かめかもめ

ほどほどに文学好き青年
ショートショート初心者
和の精神を愛しています

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