うみのおと

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お盆休み、海辺のおばあちゃんのところへ家族皆で遊びに行った時の事。
思春期真っ盛りで塞いでいた私は皆が煩わしくて、一人で浜辺に座っていた。
もう学校にも行きたくない。家にだっていたくない。海を見ていると、不思議とそんな気持ちが少し和らいだ。

ため息をついた瞬間、

「うみさん うみさん ここまでおいで」

声のする方を見ると、真隣に女の子がいた。
真っ赤な巾着袋から透明なおはじきをすくっては、浅瀬へ投げ込む。そして投げたそれを今度は拾ってきて、私に言った。

「うみのおと、きく?」

透明だったおはじきに、幾筋もの青い模様が入っていた。耳に近づけると、ゆったりとした波の音が聴こえる。

「もっととおいおと、きく?」
彼女は楽しそうに、今度はおもいっきりおはじきを海へ投げた。そして私の腕をぐっと握ると、どんどん海の中へと入って行き・・


ひとり、止まる様子がまるでなかったと、母は言う。
ファンタジー
公開:18/08/05 11:33
更新:18/08/06 00:38

タネダミツアキ( 東京都 )

28歳。
マイペースに作ります。

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