スイカの劣等感
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すいかは劣等感を抱えていた。
「今夜月は見えないが、星は見えるな」
この畑の全すいかがメロンになりたがっていた。
すいかは皆、違う。柄も違う。しかし、すいかは嫌だった。
この畑はオババと子供達から言われている体の表面がしわくちゃな人間に
よって支配されている。
だが最近、その姿を目にしない。
すいかは何だかオババのことが恋しくなってきた。
「そろそろオババに、会いたいぜ」
すいかはそう呟いた後、
なぜか突然、強い衝動に駆られた。
「今こそ、生まれ変わる時!」
と、雄叫びをあげた。
他のすいか達もそうだそうだと
声なき声をあげた。
数時間後・・・。
すいかはペロンとめくれた。中からメロカという果物が誕生した。
メロカはもはや、すいかではなかった。
翌朝、オババは奇妙な西瓜畑の光景を目にした。
ひとつ叩き割って食べてみて
「こりゃあ、珍味だ」
と感嘆し、親戚一同に
配りに行ったとさ。
「今夜月は見えないが、星は見えるな」
この畑の全すいかがメロンになりたがっていた。
すいかは皆、違う。柄も違う。しかし、すいかは嫌だった。
この畑はオババと子供達から言われている体の表面がしわくちゃな人間に
よって支配されている。
だが最近、その姿を目にしない。
すいかは何だかオババのことが恋しくなってきた。
「そろそろオババに、会いたいぜ」
すいかはそう呟いた後、
なぜか突然、強い衝動に駆られた。
「今こそ、生まれ変わる時!」
と、雄叫びをあげた。
他のすいか達もそうだそうだと
声なき声をあげた。
数時間後・・・。
すいかはペロンとめくれた。中からメロカという果物が誕生した。
メロカはもはや、すいかではなかった。
翌朝、オババは奇妙な西瓜畑の光景を目にした。
ひとつ叩き割って食べてみて
「こりゃあ、珍味だ」
と感嘆し、親戚一同に
配りに行ったとさ。
青春
公開:18/08/03 15:00
更新:18/08/03 13:53
更新:18/08/03 13:53
ほどほどに文学好き青年
ショートショート初心者
和の精神を愛しています
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