「ワレワレハウチュウジンダ」

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「ワレワレハウチュウジンダ」
地球に来た宇宙人たちの第一声を聴き、皆は喝采を上げた。
「デハ、アナタガタハ?」
そう訊かれて、一人の日本人が答えようとした。
「我々はち……」
我々は……我々は地球人なのか?
地球に住んでいるのは、皆同じ人間のはずだ。
だが、どうだ。
その同じ人間たちの間で領土問題、人種問題、貿易問題など、様々な争いが日々起こっている。
こんなまとまりのない我々。
一括りに地球人といえるのだろうか?
日本人が黙っていると、宇宙人が話し出した。
「ワレワレハウチュウジンデス。アナタガタモウチュウジンデハナイノデスカ?」
我々が……宇宙人?
我々は宇宙人といえるのだろうか。
宇宙へ行けば、ゴミをばら撒く。
だが、幸い他星との交流は今回が初めてだ。
戦争を行っているようなことはない。
宇宙人といえなくもないのでは。
「ワレワレハウチュウジンダ」
口にすると不思議な高揚感があった。
SF
公開:18/08/02 22:39

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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