11
53
「ねえ、あれ、何だろう」 バンドの仲間のケイと一緒に、買い物をしていたサエコは、彼女が指さした方を見た。二人が歩いている道の、少し先の道路の上の、電線に、ピンクのハンカチが引っかかって揺れている。ぼんやり見つめながら、サエコは「ハッ!」と思い出した。「そうだ! 今日は、ひろみちゃんのお誕生日だっけ」。スマホを取り出して、彼女は友達にお祝いのメッセージを送った。
その日の夜。サエコは自分の部屋で、机の引き出しから手帳を出した。ダイアリー型の、スケジュール手帳。今日の日付のページを開けると、「ひろみの誕生日」という書きこみと、その横に、ピンク色の“ふせん”が、付けてある。
「書いといて、良かった~。雑貨店・上海屋で、これ買った時に言ってたもん」 サエコはつぶやいた。「魔女おばさんが、“これは、町とリンクする手帳なの。忘れたくない予定を書いておくと、けっこう便利よ”って」
その日の夜。サエコは自分の部屋で、机の引き出しから手帳を出した。ダイアリー型の、スケジュール手帳。今日の日付のページを開けると、「ひろみの誕生日」という書きこみと、その横に、ピンク色の“ふせん”が、付けてある。
「書いといて、良かった~。雑貨店・上海屋で、これ買った時に言ってたもん」 サエコはつぶやいた。「魔女おばさんが、“これは、町とリンクする手帳なの。忘れたくない予定を書いておくと、けっこう便利よ”って」
ファンタジー
公開:18/08/04 11:49
更新:18/08/04 14:10
更新:18/08/04 14:10
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
ログインするとコメントを投稿できます