絵人さん
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私は知っている。この「北オーストリアの農家」の絵に人が住んでるって。私は絵人と呼んでる。
私の部屋に掛けてあるそれに、ゴミがついたかなっておもって、取ろうとおもったら、そのゴミが揺れ動いてびっくりして悲鳴をあげた。
絵人さんは四人家族の長男なんだって。
だから私は色々聞いてみた。
「恥ずかしがり屋さんが多いの?」
「いや、みんな怖がってる」
「どうして? 私は何もとって食べたりしないよ」
「それはわかる、そうじゃないんだ」
絵人さんは確かに初めから、何かを怖がっていたかもしれない。
「みんな、存在を怖がってる」
「どうして?」
「僕たちはみんな感覚的に、この絵に存在すべきじゃないってわかるから」
「じゃあなんでできたの?」
「形のあるものになってみたかった、最初は僕も怖かったけど
いざ、なってみたらそうでもなかったよ。
でも形をもつのもつらいかも」
「なんで?」
「失いたくないから」
私の部屋に掛けてあるそれに、ゴミがついたかなっておもって、取ろうとおもったら、そのゴミが揺れ動いてびっくりして悲鳴をあげた。
絵人さんは四人家族の長男なんだって。
だから私は色々聞いてみた。
「恥ずかしがり屋さんが多いの?」
「いや、みんな怖がってる」
「どうして? 私は何もとって食べたりしないよ」
「それはわかる、そうじゃないんだ」
絵人さんは確かに初めから、何かを怖がっていたかもしれない。
「みんな、存在を怖がってる」
「どうして?」
「僕たちはみんな感覚的に、この絵に存在すべきじゃないってわかるから」
「じゃあなんでできたの?」
「形のあるものになってみたかった、最初は僕も怖かったけど
いざ、なってみたらそうでもなかったよ。
でも形をもつのもつらいかも」
「なんで?」
「失いたくないから」
ファンタジー
公開:18/08/01 11:08
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