仲間のために

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「第一編隊前へ!」
少数だが編隊が組まれた。
「敵は今、睡眠中だ。一気に攻め込み勝利をモノにするぞ!」
「オーー!」

3日前にチョロが台所で仲間のヘビが瓶に漬けられているという衝撃的な光景を目にした。確認も取られ仇を討つべしと今回の編隊が組まれたという訳だ。

「待ってください!」僕は叫んだ。
「確かに仲間の仇を討てるかもしれない。でも、恨みを恨みで返してなんになるんですか?別な方法を考えましょうよ!」
「別な方法なんてあるのか?」編隊長がたずねる。
「こんなのどうですか・・」

あの日から、漬けられた仲間の瓶の周りに木ノ実を一つ置いていった。
最初は転がってきたのかと気にも留めてなかった人間も毎日木ノ実が置かれている状況に恐怖を感じてきたようだ。
そして100日目、人間はついに「こんな事してすまん。二度とせん」と瓶漬けのヘビに謝った。
僕らは誰も傷つけることなく平和を手に入れたのだ。
ファンタジー
公開:18/08/01 05:59

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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