0
44

火星で生まれて
火星で育った。

それなのに
この息苦しさは
なんだろう。



僕は火星に住んでいる。
僕の仕事は、火星にはない水を作るための素材を、星の外に取りに行くことだ。


「よし、頼んだぞ」
僕だけが感じている違和感。また同じ1日が始まる。


ところが今日は違った。
いつもの通り星を飛び出したその時、目の前が突然真っ白よりも白くなった。


突然起きた出来事。
後から知ったが彗星が火星にぶつかったのだ。
気づくと宇宙を自分が遥か遠くまで駆け抜けているのを感じた。
でも、身体を動かしはしなかった。

「どうなってもいい。このまま何処へだって行ってやる」

銀色の星たちが動いてるのか自分が動いているのか、もう判断がつかなかった。




目が醒めると、緑の大地と青い空。
見たこともない世界。

「あぁ、やっと息ができる」

僕は笑った。
そして宇宙マスクに手をかけるー
SF
公開:18/08/01 01:15
更新:18/08/01 11:21
#これは誰かの物語

持田瀞(とろもち)( THE EARTH )

持田瀞(とろもち)です。
小説描くのが好きです。
ショートショートも、長編も、とろとろもちもち一歩ずつ。
アイコンは https://twitter.com/toaru_ocha_03 さまのフリーアイコンお借りしております!

アトリエ▼
https://note.mu/toufucoro
ツイッターは、ゆるっと▼
https://twitter.com/mochidatoro
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容