「北オーストラリアの農家」が東京を試す夜

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東京。人混みの別称。
僕は今夜その内側でコーヒーミルを回している。
ガリガリガリ…

「あなたは結局何も認めないのよ。」
あの日、あの部屋で、君は僕にそう言った。僕は何も言えず、ただ壁に掛けられた「北オーストラリアの農家」のレプリカを見つめていた。

ガリガリガリ…
コーヒーミルは回り続ける。
僕はコーヒーミルを回し続ける。
頭の中で、頭の中の「北オーストラリアの農家」を見つめる。
やがて、その青ざめた外壁の家の明かりが点る。
住人が窓から顔を出してこう言う。
「あなたは結局何も認めないのよ。」
ガリガリガリ…
気付けば僕は、青ざめた家の中でコーヒーミルを回している。
誰かが窓を叩いて叫ぶ。
「あなたは結局何も認めないのよ!」
僕は苛立ち、窓に向かってコーヒーミルを投げる。
窓は割れ、誰かは消える。

なぜその窓は割れなくてはならなかったのか。
その答えを東京はまだ知らない。
その他
公開:18/07/31 22:11
更新:18/07/31 22:30

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