おごるカフェテリア

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営業の合間、見積を作成するためにカフェに入った。急ぎだったため、店員が注文を取りに来る前にノートパソコンを開き書類を作成し始めた。
そのまま数分経っただろうか、やっと店員が来た。そして「お待たせいたしました」そう言いながらアイスカフェオレを置く。
「え、俺まだ頼んで」
「あ、お客様、当店は初めてですか?」
「うん、初めてだけど」
「当店は、前に入ってきたお客様が次の方の分をおごるシステムになっています」
店員が言うには、俺の前に入ってきた客が、俺のためにアイスカフェオレを頼んだ。そして俺は次に入ってきた客のための注文をし支払うのだそうだ。
つまり「あちらのお客様からです」が延々と続くカフェなのだ。よくわからないが、とりあえず飲物にありつけた俺はまた書類作成に没頭した。

カラン

カフェの扉が鳴った。おれがおごる相手がやってきたようだ。顔を上げると、入ってきたのは10人の男子高校生だった。
その他
公開:18/07/31 20:11

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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