喉の奥がスーッとする幽霊

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夜道を歩いているとスーッという悪寒がした。この嫌な感じ、まさか……。一瞬、そう思ったが僕に霊感はない。きっと気のせいだ。
しばらくすると喉の奥がスーッとした。嫌な感じではなく爽快な感じ。まるでハッカ飴を食べた時のような。

「おや? 見えていませんか?」
突然、声をかけられた。あたりを見回すも誰もいない。
「私は幽霊です。今、あなたのまわりにも大勢の幽霊がいますよ」
なんだって?
「今、喉の奥がスーッとしたでしょ?」
した。
「さっきから幽霊があなたの口に入っていますよ。おそらくそのせいでしょう」
嘘だろ?
「害はありませんよ。最近、我々の間でそういう遊びが流行っているのです」
どんな遊びだよ。
「喉の奥がスーッとするのは不快感を与えてはいけないという、我々のちょっとした気遣いです。ではではー」

ふと気付くと手の中にハッカ飴の個装紙が……。
「ゴミじゃねーか! どうせなら中身をくれぇ!」
その他
公開:18/08/01 23:02

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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