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「これは、どういったものなんですか?」
手に持った、親指ほどの大きさの瓶を店主に見せる。
「ええ、それは…」
街の片隅にある小さな画材屋。
ここには、ありとあらゆるフシギな画材が所狭しと並んでいる。
「星空インク、ですね」
白い顎ひげの優しげな彼は続けた。
「お試しになりますか」
言われるままに試してみる。
紙の上に引かれた線は、その黒色の奥に鮮やかな紺色が溶け込んでいるようだ。
そして、インクに影が落ちるたびに、夜空の星が輝くようにきらきらと光る。
「きれいですね…」
思わず声が漏れた。
「そのインクはですね、夜空の端っこを材料にして作られているんですよ」
一呼吸おいて、続ける。
「空の端っこを切り取って、それを鍋で何日も、丁寧に煮詰めて、作ってあるんです」
「へぇ…」
「だからこそ…」
店主は、そっとインクの上に手をかざす。
「本当の星空のように暗いところでより輝くんですよ」
手に持った、親指ほどの大きさの瓶を店主に見せる。
「ええ、それは…」
街の片隅にある小さな画材屋。
ここには、ありとあらゆるフシギな画材が所狭しと並んでいる。
「星空インク、ですね」
白い顎ひげの優しげな彼は続けた。
「お試しになりますか」
言われるままに試してみる。
紙の上に引かれた線は、その黒色の奥に鮮やかな紺色が溶け込んでいるようだ。
そして、インクに影が落ちるたびに、夜空の星が輝くようにきらきらと光る。
「きれいですね…」
思わず声が漏れた。
「そのインクはですね、夜空の端っこを材料にして作られているんですよ」
一呼吸おいて、続ける。
「空の端っこを切り取って、それを鍋で何日も、丁寧に煮詰めて、作ってあるんです」
「へぇ…」
「だからこそ…」
店主は、そっとインクの上に手をかざす。
「本当の星空のように暗いところでより輝くんですよ」
ファンタジー
公開:18/08/01 22:11
更新:18/08/02 21:22
更新:18/08/02 21:22
ファンタジー
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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