家狩り

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「遂に見つけたぞ、青い悪魔め!」
眼の前には、草花に横たわる一軒の青い家が居た。
俺は奴に気取られぬようそっと近づき、その側壁めがけ鋼鉄の銛を深々と突き立てた。
ギィッ!
すやすやと眠っていた家は、思わぬ襲撃に声をあげた。
「貴様に喰われた妻の仇じゃ!」
さらに銛を打ち込まんと奴に近づくと、あろう事か扉の向こうにあの懐かしい妻の姿が見えた。
「おお、神よ⋯⋯」
俺はふらふらと奴の口の中へ吸い込まれて行き、美しい妻と甘い接吻を交わした。
「オカエリナサイ」
目眩く陶酔の中、すべての入口が閉ざされていくのを俺は感じた。
──罠か⋯⋯。
動物の中には、驚くほど別の何かそっくりになれる連中がいた事を思い出した。四方の壁から溢れ出す甘い香りの液体に溶かされながら、俺は妻の身体をしっかりと抱きしめた⋯⋯。

鋼鉄の銛の突き刺さるまま、青い家はその巨躯をゆさゆさと揺らしながら草花の中を去って行った──。
ホラー
公開:18/08/01 21:50
更新:18/09/17 16:15
北オーストリアの農家 接吻=くちづけ

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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