お 返しカタログ

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ある日、猫と遊んでいるとおかしな男女がやって来た。犬頭の男と猫頭の女だ。
「貴方は先日、その猫が車に轢かれそうな所を助け、飼う決意をしました。我々、恩返し委員会は貴方を表彰します」
そう言って犬男が差し出したのは『恩返しカタログ』だった。
「この中から好きな物をお選びください」
猫女がそう言ってカタログを開く。
健康猫カリカリ一生分。病院代。色々あるんだな…
折角だ。高級猫缶一生分を選んだ。

それから毎月、猫缶が送られてくるようになった。
俺は高級猫缶を転売し、猫には普通の餌を与えている。おかげで毎月儲けている。

数か月後、またもや犬男と猫女がやって来た。
「本日は『怨返しカタログ』をお持ちしました」
そう言って猫にだけカタログを見せる。
「こちら、飼い主に不当な扱いを受けているペット様の為のカタログです」
猫は迷わず何かを選んだ。

その日から俺は数日に1回、毛玉を吐くようになった。
公開:18/08/01 19:05

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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