あなたが好きな花
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暖かい日差し。揺れる木々。その森の中には、ポツンと佇む1軒の小屋。
近くに置かれている器具を見ると、農家だということはわかる。森の木々に囲まれたその土地には田畑などはなく、今はもう使われていないのだろう。
誰も使っていないその小屋に毎年ひとりで訪れる女性がいる。そう、毎年同じ日に。花を供えて手を合わせ何かを語り掛ける。
「私があなたのいる場所に行くにはもう少し時間がかかりそうです。でも、あなたのこともこの場所のこともあなたが好きだったこの花も決して忘れていませんからね」
おそらく、女性の夫が建てたであろうその小屋。夫に先立たれてしまったのだろう。
「子供たちも孫も元気ですのでご安心ください。ではまた来年会いましょう。私が愛した最後の人」
その翌年、女性は小屋に現れなかった。その日の夜空には、寄り添う2つの星が輝いていた。小屋
の傍に、女性が毎年供えていた花と同じ花が咲いていた。
近くに置かれている器具を見ると、農家だということはわかる。森の木々に囲まれたその土地には田畑などはなく、今はもう使われていないのだろう。
誰も使っていないその小屋に毎年ひとりで訪れる女性がいる。そう、毎年同じ日に。花を供えて手を合わせ何かを語り掛ける。
「私があなたのいる場所に行くにはもう少し時間がかかりそうです。でも、あなたのこともこの場所のこともあなたが好きだったこの花も決して忘れていませんからね」
おそらく、女性の夫が建てたであろうその小屋。夫に先立たれてしまったのだろう。
「子供たちも孫も元気ですのでご安心ください。ではまた来年会いましょう。私が愛した最後の人」
その翌年、女性は小屋に現れなかった。その日の夜空には、寄り添う2つの星が輝いていた。小屋
の傍に、女性が毎年供えていた花と同じ花が咲いていた。
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公開:18/07/31 11:32
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