キャンパス

大きな画用紙に青、白、赤、黄の絵の具を渡され、毎日1時間に一枚の絵を描くという仕事に就くことになった。しかも人は描いてはいけないというルール付き。厳しい仕事ではある事は分かっていたがその分給料は良かった。
最初は青と白を混ぜてペガサスや赤と黄を使ってフェニックス、黒でケルベロスなど架空の生物を描いていた。だが、描き続けていくたびににもうネタがなくなっていった。どうしようかと悩む時間もない。そこで私は閃いた。
青に白をちょっとつけたものを出して仕舞えば時間が出来る。
その後はその絵をたまに出してしのいできたが、もうネタはないし、その絵があまり不評ではなかったから黒塗りに黄色、赤に白と三種類を出した。
そして私はこの仕事に飽きてしまって何時間かごとに3種類の絵を変えるぐらいのことになった。まあ地上はそれでいいと言っているからいいだろう。地上ではその絵を空(から)の絵とよんでいるらしい。