理想のおうち
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「何の絵をかいてるの?」
ベッドに横たわり、目を閉じたままのママが言う。優しい口調で。
「理想のおうち。ママと私が暮らすおうち」
私はクレヨンを握ったまま答える。
「それは、どんなおうち?」
「森の中におうちがあるの。壁は波の色をしていて、可愛いおうち。まわりには綺麗なお花が咲いてるよ。黄色やピンクの小さなお花がたーくさん!今ね、黄色のお花を塗ってるところ。もうすぐ完成!」
ママは「楽しみだわ」と言い、ニッコリと笑った。
でも、私がいくら上手に絵をかいても、ママはその絵を見ることができない。
ママは目が見えないから。
「よしっ!できた!」
私は黒のくれよんを置き、ママの枕元に画用紙を近づける。
ママはビー玉みたいにまん丸で透き通った瞳をゆっくり開け、「素敵なおうち」
と小さくつぶやいた。
ベッドに横たわり、目を閉じたままのママが言う。優しい口調で。
「理想のおうち。ママと私が暮らすおうち」
私はクレヨンを握ったまま答える。
「それは、どんなおうち?」
「森の中におうちがあるの。壁は波の色をしていて、可愛いおうち。まわりには綺麗なお花が咲いてるよ。黄色やピンクの小さなお花がたーくさん!今ね、黄色のお花を塗ってるところ。もうすぐ完成!」
ママは「楽しみだわ」と言い、ニッコリと笑った。
でも、私がいくら上手に絵をかいても、ママはその絵を見ることができない。
ママは目が見えないから。
「よしっ!できた!」
私は黒のくれよんを置き、ママの枕元に画用紙を近づける。
ママはビー玉みたいにまん丸で透き通った瞳をゆっくり開け、「素敵なおうち」
と小さくつぶやいた。
その他
公開:18/07/28 21:31
更新:18/07/28 21:35
更新:18/07/28 21:35
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