責めないで

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彼女は追い詰められていた。家に帰らない夫、病気で介護が必要なのに頑なに同居を拒む姑、いくら言い聞かせても危険な森に一人で行こうとする幼い娘。
今日もまた姑は見舞いに娘を呼びつけた。娘もこの頃、注意ばかりの母親よりは姑のところに行きたがる。彼女にしてみれば不愉快極まりない。誰よりも案じている自分よりもそんなに姑のほうがいいのか、そう思ったことだろう。
だから彼女を責めないでほしい。数日前から森に狼が出ると聞いた噂を意図的に無視したことを。言うことを聞かない娘の性格を熟知しながら、寄り道はダメよとわざと強めに注意したことを。あわよくばこの際、姑と娘を狼に委ねて一度に厄介払いしようと考えたことを。
娘が猟師に助けられて戻ってきたとき、落胆した自分を必死に隠してにこやかに娘を迎えた、赤ずきんの母親を。
ファンタジー
公開:18/07/28 21:01

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