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バーで一人飲んでいると目の前を美女が通り過ぎる。
俺はその美女の尻をじっと見つめる。
『ターゲット接近中。その場で待て』
俺は手元の酒を飲み干すともう一杯注文した。
「お兄さん、いい飲みっぷりだね」
そんな俺に軽薄そうな男が声をかけてきた。
「どうだい?俺に一杯驕ってはくれないか?そしたら今あんたが目で追っていたあの美女を口説き落とす最高のセリフを伝授してやるぜ」
俺は男の言葉を鼻で笑う。
「あの程度の女、すぐに口説き落とせる」
「へぇ…やってみてよ」
そう言われ、俺は美女に近寄る。二言三言話すと美女は俺の腕に抱き着きついた。
俺は男に目配せする。
男は悔しそうに俺が頼んだ酒を一気に煽った。
俺と美女はバーから出た。

翌日、その男が遺体となって発見された。暗殺成功だ。
俺はあの夜、相棒である美女から尻文字で指示を受け取った。
世界広しと言えども暗号に尻文字を使う殺し屋は俺達ぐらいだろう。
公開:18/07/28 19:05

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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