Colorful
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色が白と黒しかないこの世界で、景色がとても鮮やかに見えるようになったと、最近になって友が嬉しげに話すようになった。
「二色しかないのに、鮮やかってどういうこと?」
私が問うても、友は「実際に経験したらわかるよ」としか言わない。
友が面白がって変なことを言いふらしているだけだと思っていた矢先、仕事先である男性と出会った。
控えめで、無口で、愛想は決して良いとは言えない人だった。
しかし彼と出会って少し経ったある日から、白黒だった世界に変化が訪れた。
嬉しい時は桃、黄、橙。
悲しい時は青、水色。
怒っている時は赤。
無地のキャンバスに絵の具を垂らしたように、浸透して、滲んで、ぽつぽつと染まっていく景色。
「さっきからずっと僕の顔を見てるけど、何か顔についてる?」
「ううん、相変わらず格好いいなって思っただけ」
友の言葉が今ならわかる気がする、と、カラフルになった世界で貴方を眺めながら微笑んだ。
「二色しかないのに、鮮やかってどういうこと?」
私が問うても、友は「実際に経験したらわかるよ」としか言わない。
友が面白がって変なことを言いふらしているだけだと思っていた矢先、仕事先である男性と出会った。
控えめで、無口で、愛想は決して良いとは言えない人だった。
しかし彼と出会って少し経ったある日から、白黒だった世界に変化が訪れた。
嬉しい時は桃、黄、橙。
悲しい時は青、水色。
怒っている時は赤。
無地のキャンバスに絵の具を垂らしたように、浸透して、滲んで、ぽつぽつと染まっていく景色。
「さっきからずっと僕の顔を見てるけど、何か顔についてる?」
「ううん、相変わらず格好いいなって思っただけ」
友の言葉が今ならわかる気がする、と、カラフルになった世界で貴方を眺めながら微笑んだ。
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公開:18/07/28 02:12
思いついた時にぼやぼや書いてます
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