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二人で並んで店から出ると外はもう異世界としか思えなくて、随分と冷房がきいてたんだと今更。手をかざして見上げた空はクソ青く雲は白く、夕方になって陽の光は少し陰ってきたが嫌というほどに夏。陽の光は苦手だ。隣の奴は夏が似合うが、ふと、日傘出す、と口にした言葉は似合わなかった。
「日傘って」
いま店の入り口で立ち止まっている俺たちの横をすり抜けていったのは、白い日傘をさした女。ああいうやつか?
「なんで持ってる」
「気持ち涼しくなるらしいぜ?それにお前、すぐ赤くなるじゃん」
「……」
気付いてたのか、とか間抜けなことを言う気はない、絶対にない。どうせこの沈黙で察してるんだろうが。ほら、ふっと吐息で笑って。そしてごそごそ細長いものを取り出して、
「…日傘?いや傘だがよ」
「はい自分、日中にも対応してますんで」
「まてまず目とか大丈夫かお前」
「やだ優しい」
「物を大事にするのは当たり前だろが」
「日傘って」
いま店の入り口で立ち止まっている俺たちの横をすり抜けていったのは、白い日傘をさした女。ああいうやつか?
「なんで持ってる」
「気持ち涼しくなるらしいぜ?それにお前、すぐ赤くなるじゃん」
「……」
気付いてたのか、とか間抜けなことを言う気はない、絶対にない。どうせこの沈黙で察してるんだろうが。ほら、ふっと吐息で笑って。そしてごそごそ細長いものを取り出して、
「…日傘?いや傘だがよ」
「はい自分、日中にも対応してますんで」
「まてまず目とか大丈夫かお前」
「やだ優しい」
「物を大事にするのは当たり前だろが」
青春
公開:18/07/29 19:47
更新:18/07/29 20:10
更新:18/07/29 20:10
こちらとあちらをふらふらする辺境歩き、感受性お化けです。SAN値は直葬されています。
雪が好きです。夏は夜ではないと生きられません。にゃあ。
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