お盆
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「は?」
目を疑った。
ペンギンが歩いている。
何でもない、道の真ん中で。
「おいおい、どこから来たんだよ。」
混乱する僕の前で、そいつは無害そうに、こっちによちよちやってきた。
そして、翼なのか手なのかを持ち上げた。
「??」
固まる僕の前で、そいつもその格好のまま固まっていた。
が、疲れたのか一度広げたそれを降ろし、再度僕に向かって伸ばした。
威嚇ではない。何がしたいんだ。
動けないでいると、そいつはやれやれという風に僕に寄ってきて、くいくいと右手を上下に動かし、僕にしゃがむように要求した。
飛びかかってきたりしないかな。
恐る恐るしゃがんだ僕を、そいつはゆっくり両翼で包んできた。
そいつは温かくて、ふわふわしてて、そして何故か昔かいだことのある匂いがした。
頬を温かい粒が伝う。
幼少期の記憶。
これは母さんの匂いだ、と思い出した。
8月15日の出来事だった。
目を疑った。
ペンギンが歩いている。
何でもない、道の真ん中で。
「おいおい、どこから来たんだよ。」
混乱する僕の前で、そいつは無害そうに、こっちによちよちやってきた。
そして、翼なのか手なのかを持ち上げた。
「??」
固まる僕の前で、そいつもその格好のまま固まっていた。
が、疲れたのか一度広げたそれを降ろし、再度僕に向かって伸ばした。
威嚇ではない。何がしたいんだ。
動けないでいると、そいつはやれやれという風に僕に寄ってきて、くいくいと右手を上下に動かし、僕にしゃがむように要求した。
飛びかかってきたりしないかな。
恐る恐るしゃがんだ僕を、そいつはゆっくり両翼で包んできた。
そいつは温かくて、ふわふわしてて、そして何故か昔かいだことのある匂いがした。
頬を温かい粒が伝う。
幼少期の記憶。
これは母さんの匂いだ、と思い出した。
8月15日の出来事だった。
ファンタジー
公開:18/07/29 08:09
更新:18/07/30 00:02
更新:18/07/30 00:02
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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