シュガーレイン

雨の町、それはこの土地特有の新たな砂糖が作られる町。
そしてこの町はいつも雨が降る時になるとみんな外に出て
桶やら皿やら何でも器に雨水を入れる。
ローランド家の長女シュリもまた、グランマに頼まれて雨を桶にいれていた。
とぷとぷとぷ。とぷとぷとぷ。
雨は優しい匂いと冷たさをこの町にもたらした。
天敵は黒い生物、アリ。
砂糖を喰らい大きくなったアリは今日もバリバリと街を喰らい尽くす。
バリバリ、ムシャムシャ、ガリガリ。
砂糖で作られた街はアリに喰われた残骸となる。
そこにまた雨がふり、砂糖の山が崩れ、水に溶けて光り輝く。
シュガーレイン、静かな崩壊。