海の桃太郎

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亀に連れられ竜宮城に到着した桃太郎は大いに困りました。鬼ヶ島に行こうと亀の背中に乗り意気揚々と鬼退治をするつもりだったのに、現れたのは煌びやかな衣装の魚たちでした。手を引かれるまま案内されると見たこともないようなご馳走といい香りのする酒がふるまわれました。
最初は断っていましたがだんだん桃太郎も心が萎え、料理に手をつけ酒を飲み始めました。初めてこんなご馳走を食べました。これまで強くなることばかり考え、鬼退治のことばかり期待されていました。楽しいことをちっとも知りませんでした。
やがて魚たちは桃太郎に踊りを見せたり、歌を歌ったりしてもてなし始めました。桃太郎はただただうっとりして見ていました。

別室では鬼と恋人の乙姫が水晶玉で桃太郎の様子を見ていました。ここに来て随分経ち、桃太郎はすっかり鬼退治のことを忘れてしまったようでした。二人は顔を見合わせると、幸せそうににっこりと微笑み合いました。
ファンタジー
公開:18/05/17 23:51
更新:18/05/17 23:52

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