うみの粒

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魚たちはある海の粒に声に耳を傾けていました。
「私は産まれも育ちも沖縄の海です。訳あってここ東京湾に来ました」
「なんでこんな所まで?」タコが聞く。
「実は・・」と海の粒が話し始めた。

沖縄の海で、あるイルカに恋をした。わたしの海で泳ぐ彼は心地良さそうで、彼の作る流線はとても綺麗。ある夜、一隻の船が彼を捕まえるのを見て、慌ててわたしも船に。彼は不安そうでしたが、わたしの作る海水に包まれると安心した様子で、眠りにつきました。どのくらい眠ったでしょう。突然水槽のフタが開き、彼は連れ去られました。わたしも必死に抵抗しましたが、網の隙間から流れ落ち、取り残され、そして捨てられたのが、ここ東京湾だと。

「よし、海の粒のために一肌脱ぐか!」「うおー!」
当てのないイルカ探しの始まりです。
ファンタジー
公開:18/05/18 17:50
更新:18/05/27 19:55

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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