下敷きの空

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まだ僕が子供だったころの話です。
小学校の帰り道に小さな文具屋がありました。そこでは小さな店には不釣り合いなほど数多くの文具がありました。それらは子供の僕には目新しく、文具屋に行く時にはワクワクしたものです。
ある日の帰り道、消しゴムを買おうと文具屋に立ち寄りました。
目当ての消しゴムを持ち、レジへ向かうと、レジ脇になにかがありました。それは夕暮れの空模様の下敷きでした。魅了された僕は下敷きも買うことにしました。
その日の夜、驚くことが起きました。下敷きを眺めようと下敷きを取り出すと…なんと星空が広がっていたのです!
それから、僕はいつでも下敷きを持っているようになりました。
下敷きの空は、時間に合わせて移りゆき、僕を魅了し続けました。
下敷きの現在と言いますと…ほら、そこに飾ってありますでしょ。あの…額に入った…。そうそう、白い雲と青い空がとても綺麗でしょう。
青春
公開:18/05/18 15:26
更新:18/05/20 17:50

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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