地獄の沙汰も金次第 -黒-

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どうやら私は死んだらしい。気がつくと私は地獄にいた。
「あれ?佐藤さん?」
そう声をかけてきたのは若い男だった。
「君は誰だ?」
「僕。木下です」
「木下…和夫君かね」
そう言えば昔、木下という使い勝手のいい男がいたことを思い出した。
木下は嬉しそうに笑う。
「僕今、ここで働いているんです。地獄の沙汰も金次第。働いて、そのお金で天国に行けるんですよ」
「生前の金は使えないのか?」
「ここにはここの通貨がありますから。そうだ!僕の会社に来ませんか?佐藤さんにぜひ来てほしいです」
そうかそうか。過去に世話をしてやったんだ。丁度いい、楽な仕事をさせてもらおう。
「では今日中に営業契約を百件取ってきてください」
「バカを言うな!無理に決まっているだろう!」
「ええでも、佐藤さんならできますよ。だって、僕にそう言って過労死させたんですから」
木下は笑う。
「あの時の恨み、ここで晴らさせてもらいます」
公開:18/05/14 18:52

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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